Swedish Design & Culture

ストックホルム市立図書館

スウェーデン旅行で多くの人が訪れる場所の一つ、『ストックホルム市立図書館』。
世界遺産である「森の墓地」の設計者としておなじみ、グンナー•アスプルンドの建築で、1928年に完成した図書館です。
最寄り駅は、ストックホルム中央駅からT17,T18,T19番線で3駅目のOdenplan駅。ここはアンティークショップや雑貨屋、カフェも多く、散策が楽しい地域で、図書館は大きな公園の敷地内にあります。

図書館に入ってすぐの壁面はエジプトのレリーフのよう。その先には階段があり、上がればメインの円形ホールにつながっています。閉塞感のある階段を上りきった瞬間の、目の前に広がる360°の書架に敷き詰められた書籍のパノラマは圧巻です。 天井の吹抜けから差し込む自然光は、白くて凹凸のついた壁面に反射して柔らかみを帯び、ホール全体の雰囲気を更に演出しています。さらに、館内のすべての家具や什器はシンプルで美しく、調和がとれているものだけが選ばれて置かれているので、館内のインテリアは統一感があります。
この円形ホールの書架は3層となっており、入口近くには上にあがるための階段があります。実はこの図書館、スウェーデンで最初の開架式(利用者が直接に書架から資料を取り出すことができる方式)の公共図書館だそうです。

この図書館には、美しく機能的な円形ホールの書架の他にもすばらしいものがあります。
その一つとして一番に挙げたいのが児童書のスペースです。

ゆったりと座れる大きなソファに、おもちゃやぬいぐるみ、ボードゲームまであって、まるで大きな子供部屋のよう。
スペースの一角にはアスプルンドが子供達のために作ったという、絵本を読み聞かせる部屋があります。子供たちは、これからどんな話が始まるか、ワクワクしながら部屋のなかに入ることでしょう。
カーテンをあけ部屋に入ると、読み手の椅子が置いてあり、その後ろには、スウェーデンの人なら誰もが知ってる「Jon Blund」という言い伝えがモチーフの絵が。言い伝えによれば、「Jon Blund」という男の子は夜になると現れ、人の目に砂をかけます。砂をかけられたら目を閉じてしまう。そうして目を閉じているうちに眠りにつくのだと言われています。絵のなかの彼が持っているのは「夢の傘」なんだとか。読み聞かせの部屋の壁に夢の世界へいざなう絵を描くなんて、とっても素敵な発想ですね。
この部屋では数々の読み聞かせ、人形劇、お芝居や童話が語られてきました。そしてそれはこれからもずっと続いて行くことでしょう。アスプルンドの、子供に対しての深い愛情が感じられます。
その他にも子供スペースの天井には星座が描かれていたりなど、シンプルにデザインされた他のスペースとは違った、遊び心のある雰囲気になっています。

その他にも、図書室まで足を運べない障害者や高齢者のために本を届けたり、「国際図書館」という別館を設け、様々な言語で書かれた資料や書物も用意するなどのサービスも整っています。国内の図書館ネットワークもかなり進んでいています。この図書館はストックホルム市の図書館としてだけではなく、スウェーデン全体のセンター機能をも受け持っているのです。国内の図書館はコンピューターネットワークでつながっていて、どこからでも貸出中か棚にあるか分かります。さらに県都、国立相互貸借センターを通じてスウェーデン内だけでなく外国からも借りることができます(書類記入が必要)。

このようにストックホルム図書館は、建物としての美しさだけではなく、利用者に対してのサービスもすばらしいのです。特に教育や福祉、外国人などに対するサービスが充実しているのはスウェーデンというお国柄ならでは。
近くにこんなすばらしい図書館があったら、毎日通ってしまいますね!

https://biblioteket.stockholm.se

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