Swedish Design & Culture

ストックホルム地下鉄アート

ストックホルムの地下鉄駅は「世界一長い地下の美術館」として知られています。
それもそのはず、約100ある中の90もの駅構内は、アーティストたちによる素晴らしいアート空間で装飾されているからです。
全長110 キロにも及ぶストックホルムの地下鉄は、石灰質の岩盤をくりぬいて造られた駅が多く、天井や壁に個性豊かなアーティストの作品が描かれています。

ストックホルムの地下鉄は1950年に始まり、初のアート空間の導入は1957年に完成したT-セントラーレン(T-Centralen)。洞窟のような岩肌をそのまま活かした壮大な壁は明るい色に塗られ、一面にブルーの大きな葉のモチーフが描かれています。まざまな路線が交差する駅の、広々とした構内の装飾は圧巻です。

1960年代に建設されたエステルマルム駅(Ostermalmstorg)のテーマは、時代背景を反映して「女性、平和、環境保護」。暖色系の落ち着いた色合いの壁に、これらの分野で著名な活動家たちのポートレートが刻まれています。

そんなストックホルムの地下鉄アート、実は日本人のアーティストたちの作品があるのをご存知でしょうか?
ヴレーテン(Vreten)駅のアートは、スウェーデン在住の日本人彫刻家である楢葉雍(ならはたかし)氏、アルヴィック(Alvik)駅は幸田信也氏、ハルンダ(Hallunda)駅はテキスタイル作家の田村かず子氏といった日本のアーティストたちのの活躍ぶりも伺えて、誇らしい気持ちになります。

そもそも、なぜ地下鉄にアートを施すことになったのでしょうか。
それは、「地下鉄の陰気なイメージをなくし、楽しい色があふれる空間にしよう」という想いを抱いた芸術家たちが公共事業として構内の装飾に携わったことがきっかけだったのです。
公共の交通機関である地下鉄をアート化してしまう国民性•寛容さは北欧の国スウェーデンならでは。

日本では味わうことができない圧巻の地下鉄アート。
ストックホルムに行ったら、全身でそのアート空間を体感してみてはいかがでしょうか。

前の記事

スウェーデン:スウェーデンの年末年始

次の記事

ストックホルム市立図書館