Swedish Design & Culture

デザインの源:ヤーナ

スウェーデンの食品売場を歩くと、目に飛び込んでくるカラフルでオシャレなパッケージデザイン。これらは、スウェーデンの有機食品会社『サルト•クヴァーン』社の小麦粉商品。
数々のデザイン賞を受賞し、思わず手に取ってしまう、かわいらしいパッケージデザイン。そのルーツは、ストックホルムの南に位置する『ヤーナ』という村にありました。

『ヤーナ』はストックホルムの中央駅から約1時間ほど南下したバルト海に面した村です。そこは都心部から離れたとてものんびりとした場所。

村の歴史は、昔戦火を逃れてきた人々が移り住み、何もない土地を一から開拓するところから始まります。移民たちは、教育・医学・薬学・芸術・農学などに関する知識・思想を持ったアントロポゾフ(人智学徒)という人々。そのなかでも特に建築家、芸術家、色彩家たちが開拓の中心メンバーとして大きく関っていたことで、『ヤーナ』は独特な環境を形成していくことになります。
村の建築物は彫刻的で有機的な形状が特徴の「シュタイナー建築」のためとても美しいつくりになっています。台形の窓、丸みを帯びた建具、色とりどりの屋根や外壁。さまざまなものがどれも美しくデザインされており、建築家や芸術家の仕事ぶりがうかがえます。

また、大自然に囲まれた村であるため、自分たちの住環境にもいろんな配慮をしながら過ごしています。例えば、排水浄化ができる水生植物のためのウォーターフォームという装置が池に設置されているので、常にきれいな水質を保てられたり、農業は肥料を使用しない「バイオダイナミック農法」という有機的な栽培をしています。
こういったエコロジカルな都市計画が実践されている村だからこそ『サルト•クヴァーン』社が生まれたのです。

「デザイン」がかわいくてオシャレ、環境にも人にもやさしい「有機食品」を展開している『サルト•クヴァーン』社。そのデザインの源は『ヤーナ』という環境そのものなのです。
良いデザインの背景には必ずそれを育んだ良い環境があるのではないでしょうか。

http://www.saltakvarn.se
http://ytterjarna.se

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